【入遠野川の黒い影】






【入遠野川の黒い影】

日常と非日常が隣り合わせの釣り人の毎日。

いつもと変わらぬ毎日に、突如として訪れるドラマを夢見て、釣り人はまた水辺にやってきては糸を垂れる。

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仕事が思いのほか早く終わり、急遽時間が出来た。

普段より2時間早く終わったこの日、私は鮫川水系の支流に足を運んだ。

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何か特別に狙いたい魚がいたわけではなかった。

ただいつものルーティンで、菅スプーンをセット。

菅スプーンを投げれば、ヤマメが遊んでくれた。

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川のせせらぎは、心の濁りを少しずつ洗い流し・・・飛花を乗せる優しい春風は、菜の花の匂いも運びながら私の頬を撫でるようで、少し感じていた苛立ちさえも、すこしだけ包み込むかのような優しさに思えた。


少しヤマメを釣った後、川から上がり、上から川を眺めてみると・・・


・・・なんだ・・・あれ・・・


魚・・・だよな・・・


それは、鯉とは明らかに違う魚影。


マス系の様に思えたが、サクラマスがここまで遡上するのは・・・いわき市は5月の連休後くらいからだと聞いている。


しかし、ミスターが言っていた・・・鮫川水系ならもしかして・・・


私は一度仕舞った竿を組み直し、再び菅スプーンを付けた。


1.8g・・・コバルト!



そして、その黒い影の正体を探るべくルアーを投じた!

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上から見た影のあった場所の方に投げるだけ。
現場からは魚の影は見えやしない。


この辺だろうかと、探り探り投げていく。


すると、その時は来た!


突如としてリールが巻けなくなったと同時に反射する体は、無意識に竿を煽っていた!



ジジジッジジジジッジィジジイィ!!!!!!

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か、掛かった~!!!!!!!!


明らかに鯉とは違う引き!


丁度いい!

この丁度いいという表現、釣り人ならわかるのではないか?
鯉じゃない!でも、あきらかに小型ではなくて、大きな流線型の魚が掛った丁度いい重み!


ついに来たのか!

サクラマス!?!??!



ジジジジジジジ!!!!


2℔で繋がる私とその魚の距離は徐々に狭くなってくる!


切られる心配は微塵もなかった。
心配があるとすれば・・・バラシ・・・

最近以上に多かったバラシ・・・

ここぞという時にバラシてばかりだ・・・


お前をどうしても手にしたい!


無心で集中するやり取りも、終盤を迎え、そして・・・


ついにキャッチ・・・






長いやり取りだった・・・





・・・





・・・





・・・お前だったのか。


私の釣り上げたのは、サクラマスなどではなく、ニゴイだった。

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よくある話だ。


しかし、狙い通りいった釣りに、私はどことなく満足し、これもまた私らしいなと、素直に喜ぶ事にした。


川に帰って行く黒い影を見送り、私は川から上がった。


久々にドキドキさせてくれた、あのニゴイに、感謝である。



釣り人の毎日は、日常と非日常が隣り合わせ。
明日もまた新たなドラマを夢見て、私は川辺に立っては、釣り糸を垂れるのだろう。


良い釣りだった。
ありがとう。

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いわき市は、桜も満開で、鯉やフナのノッコミが見られます。
活性の高い鯉やフナが釣りやすい季節であると同時に、沢山の魚がどんどん釣りやすくなってきます。
待ち焦がれた春の到来。
皆さん、釣りにでかけてみてはいかがでしょう!


2017.04.14

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