【七夕の夜の蛍火】






【七夕の夜の蛍火】


カナカナカナカナ・・・


・・・


・・・



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夏の始まりを告げる者。


夕陽が沈む黄昏時に鳴り響く大合唱は、どこか切なげで・・・
日が沈むのを悲しんでいるかのようだ。


しかし、そんな合唱が私は子供の頃から好きで、夏休みに大好きな爺ちゃんの家でカブトムシをいじりながら、夕方にヒグラシが鳴くと、どこか涼しげで何となく心地よい気分を感じていた。これから夏休みが始まるという期待の感情とリンクしているためか、私にはこの寂しげな詩でさえ心地良いものなのだ。


ヒグラシが鳴く時間。

涼しくなってきた頃は、魚にとってもまた特別な時間。

私は、こっそりと川沿いに身をかがめ、ウズウズとしている魚にイタズラするかのようにルアーを投じる。


一投目・・・

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サラサラ・・・・ジッジジ!

釣れた。

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魚が釣れた時は、何もかも忘れて魚の姿に見とれてしまう。


だが、リリースした後・・・少しずつ暗くなってくる景色。


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カナカナカナカナ・・・

カナカナカナカナ・・・




ヒグラシの詩が何故だが良く沁みる日だ。


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辺りがすっかりくらくなり。

私もすっかり釣りをしている様子もないのだが、その場から動く気にもなれなかった。



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夏がはじまるのになぁ・・・


深々と暗くなっていく景色。


ほんの少しだけ心が寂しい私の目の前に、微かな灯の様な光が舞い始めた。



・・・ホタルだ。

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今にも消えそうなその光・・・

右へ左へと迷子の様だ。


お前は何処へ向かっている。
何を求めて何処へ向かう。

お前の進むべき道に「→」でもあれば困る事も無かろうに。


彼らの必死の迷いの舞い。


皮肉にも美しいその姿に、人々は沢山の想いを馳せる。


私もその一人。




あ・・・


今日は七夕か・・・


雲一つない空。

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彼らはきっと今夜会えるだろう。


月の光に照らされて、星がくしくも見えにくい空だが、私の目の前には、夏を告げる者達が織りなす光の川ができていた。

まるで私の進むべき道を標しているかのように・・・


2017.07.07
時間 :17:30~20:00
天気 :晴れ
場所 :夏井川水系
釣果 :ウグイ2匹

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