【だれかの「暇つぶし」になりたい】





【だれかの「暇つぶし」になりたい】



5月21日か…



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それは梅雨が間近に迫る晩春の出来事。



365分の1を365回繰り返し、幾度となく歯を食いしばって空を見上げた。


なるべく顔に出さない様に。
なるべく心を落ち着けるように。


なにも変わらない…
なにも変わらない…
呪文のように繰り返す言ノ葉。


味気ない春は、そこに居ない者の有難みを気付かせる。




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空に打ち上げ続けた儚い青春。


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「将志! 誰のためにバスケやってるんだ。」

「自分の為です。」


「それだから弱いんだよ! プロになりたいと思ったら、お客さんを喜ばせたり、夢や勇気を与えられないとプロとは言えねぇだろ! 見てくれる人が熱くなれる様に・・・せめて応援したくなるように全力でいつもやれよ! 流したプレーをだれが応援すんだ! 上手いやつなんていくらでもいるんだ! お前は天才なんかじゃない! でも、天才じゃなくても人を熱くすることはできる! 自分の為と誰かの為がイコールになった状態が一番強いんだ!」



ずっと傍で応援していてくれた。
私の一番のファンで居続けてくれたのは…今は亡き父だった。




私は姉の様に明るく、誰からも愛される人間じゃない。


運動能力やセンスも姉と比べてはるかに劣る。


神様に祈った事もないもんで、おかげで運なんてよかった試しがない。

それでも父は、私を見限る事なく応援し続けてくれた。







しかし私の青春はただ一度のケガを切っ掛けに無駄となった。









積み上げた努力はどこへ行くのだろう。



かなわなかった夢はどこへ行くのだろう。



現実を受け入れられず「今まで指導していただきありがとうございました」とも言えず、それは今も胸の内に置いたままだ。











辛い日々は私の心を絞め続ける。



誰も愛さないから、誰からも愛されず。
誰も信じないから、誰からも信じられず。
誰も求めないから、誰からも求められず。

ただ毎日を塗りつぶす日々をおくった。







月日は流れ私はボールから釣り竿に持ち替え、旅をしようと思った。






もちろん一人…いや、テル坊と二人で。




しかし、縁あって一人ではなくなっていった。








時々、父の顔をみると
「おい!なんか釣れたか!?」


それは私が子供の頃にみた父の笑顔と同じで、私は得意気に自慢して見せる!



何年も不仲だった私達の時間は、遠回りしてあの頃に戻ろうとしていたのかもしれない。





「おい。お前の仲間はどんな奴だ。」


「俺のただ一つの自慢だ。 魚が釣れなくても、奴らと一緒ならそれでよいと思える。」


「だからお前はダメなんだよ! 見てる奴が熱くなれる事をしないと、それはただの自己満足だ!人様の…せめて暇つぶしなれる様でないと、お前がやってる事の意味がねぇ。 自分の為と誰かの為がイコールに…」




・・・聞き覚えのある様な言葉が少しだけ心地良さを感じた。




「その通りだな。 忘れちゃいけないな!」









5月21日









なぁ・・・後は俺に任せろよ。




安心して良いとは言えないけどさ。








俺さ・・・誰かの「暇つぶし」に成れるように頑張ってるよ。
凄い量の仕事はしてる。
時間を作るのは大変だ。

家を掃除できねいから、釣り部屋通り超えて「釣り家」になってるわ。


ろくに寝る時間もないし、朝早いし、残業多し…

でもやるわ。



誰かが俺たちを見て暇を潰してくれるってすげぇ事だよ。
そんな名誉な事はない。




俺は誰かの「暇つぶし」になりたい。



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大事な教えをありがとう。


今まで指導していただき・・・ありがとうございました















んじゃ!俺・・・旅に行ってくるわ!




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・・・またな。