【利尻別の友から…】








【利尻別の友から…】



姉「パパが作ったイクラ食べたいね…」



マチャ「…。」




姉「もう… 食べれないね…」



マチャ「食えるよ。 俺、味覚えてるから。」



姉「本当?」



マチャ「本当。」













海に向かってこの想いを叫んだらなら…


私の声は風が運んでくれるだろうか…


「文字」にしたら、どれだけこの想いが希薄になってしまうのだろう…


時間が経てば風化してしまう…


今この瞬間に想いの丈を伝えたいが、上手い言葉が見つからないんだ。


ただ、シンプルにいえば…


心の底から嬉しかった… 本当にありがとう。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




ようやくだ…





私の義理の兄貴は頼もしい。



食事がまともにできなくなくなった私に特効薬を持ってきた。


私は食事がうまくできなくなっていたが、おかげで少しずつ食べれるようになった。



今では普通に食べれる様にまでなったが、本当に苦しい時間も過ごした。





私は今年、大好物のイクラを食べることが出来なかった。




食べる機会はあったのだが…


食べれる気がしなかった…





体長も回復して、物凄く空腹感を感じた時に、変な幸せを感じた。



当たり前の喜びを見失っていたのだろう…



腹が減る…それは素晴らしい事だ。





そして、「腹減ったな~…」と声が漏れる。


何を食べたいかと言われると…



そうだな…





イクラ。







もう季節も過ぎて、今年はもう食べれない…


あぁ…イクラ食べたい。




そんな事がたびたび浮かんでくる。








新しい生活にも慣れてきた。





相変わらず私の周りの仲間達は愉快で、私はそこにいるだけでいつも幸せだ。


図2.png


lgvtb8t-.jpg


私は何気なく、みんなで撮った写真を眺めたり、パソコンをいじったりしている時だった。





チャイムの音に驚いてドアを開けると、宅配便が届いた。





買い物はしてないはずだけど…







送り先の欄を見て驚いた。





利尻別の友人からだった。







まさか…






開封すると、真っ赤に彩ったイクラ


図3.png





そして、神経質な私の事を思い添えられた手紙…


図4.png














胸がいっぱいになった…









イクラが好きだと知って、私にわざわざ送ってくれたのか…

















ご飯を炊いて、秋鮭の切り身があったから、それを解凍してサケフライにして…








一番好きなサケの食べ方…



身はサケフライ




イクラは醤油漬け






サケの親子丼だ!



図5.png







…親子丼か…。









…。






親父にちゃんと聞いておけばよかったな…作り方…


貧乏だった俺の家では、イクラなんて高価なものはまぁ極まれにしか食べれない貴重なものだったけど、シーズンが終わる頃に安くなるタイミング見計らって母が買ってくる…


そして、イクラを味付ける醤油ダレをいっぱいにして作って、ものすごくシャバシャバなイクラを作るんだ…

育ち盛りで大食漢だった私は、イクラなんてのはスプーン2杯をご飯にかけたら、あとはそのタレをかけてシャバシャバにして食べるんだけど、それが美味かったんだ…

もちろんイクラをたべたかったけど、イクラの味がするそのタレでいっぱいご飯食べた。
イクラを食べちゃうとみんなが食べれなくなるから、俺はそのタレだけで食べるんだ。

でも、いつかご飯の上にご飯が見えないくらいのイクラを乗せて食べてみたい…そんな事は夢のまた夢…

そんな事を考えていた時代があった。









カッコいい写真を撮りたいってカッコつけた丼作っちゃったけど…






俺には贅沢過ぎるな…










頂きます…










いただきます







図6.png



























美味しい…






でも、気が付けば私は泣いていて、徐々に鼻水ズビズビしてくるし、なんか頬っぺたヒリヒリしてくるし、せっかくのご馳走が…










何故泣きながら飯を食っているのか途中からよくわからなかったが、それは私を想い私にイクラを送ってくれた友の想いと、なぜか思い出す父の思い出とが相まって、この時間が私を慰めてくれている様な気がした…












ご馳走様でした。











そうだ…




お礼を言わなくちゃ!








父を思い出すと…嫌な事も思い出してしまうから、父の事を考えるのはやめてた…

だけど、すごく良い思い出を思い出させていただきました。


心の底から感謝しています。


本当に美味しかった。














私はこの感謝をいつか返さねばならないな…





会いに行こう…最果ての地に。





図2.png





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







来年は再現して姉ちゃんに食わせてやろう…「親父の作ったシャバシャバのイクラ」